ザイゴマインプラントの基礎知識と手術の流れ

こちらの記事では、インプラント治療のひとつであるザイゴマインプラントを紹介しています。どのような場合に用いられる治療方法なのかという点や、治療の流れ、メリット・デメリットなどをまとめました。

ザイゴマインプラントの基礎知識

定義と適応症例の概要

ザイゴマインプラントは、極端に顎の骨が少ない場合に適用されるインプラント治療です。この治療方法では、通常のインプラント治療と異なり頬骨にインプラント体を埋めることによって、インプラントを固定します。

複数もしくは全ての歯が欠損しており、上顎の骨が少ない場合には、オールオン4などによって治療を行うケースもあります。しかしオールオン4でも治療が困難であるほど顎の骨が痩せてしまっている場合、ザイゴマインプラントが適用されることがあります。そのほか、骨が不足しているために過去にインプラント治療が失敗したケースにおいても有効とされている治療方法です。

手術の流れと必要な準備

埋入前後のステップと術後ケア

手術を行う際には、まずはカウンセリングや精密検査を行った上で治療計画を作成します。そして、治療計画に関して患者の了解が得られたら治療に入っていきますが、必要に応じて虫歯や歯周病の治療を行います。

手術では骨にインプラントを埋め込み、手術の当日に仮歯を装着。顎骨や歯茎の状態に合わせて仮歯の調整を繰り返し行い、最終的な人工歯の形状を決定。人工歯の作成を行い、装着します。

術後は通常のインプラントと同様に定期的なメンテナンスによって、インプラントの周りの健康を保っていくことが大切です。

メリット・デメリットと注意点

合併症リスク・費用・適切なクリニック選び

ザイゴマインプラントは、上顎の骨が不十分だった場合でも、骨移植を行わずにインプラント治療ができる点、また手術後にすぐに仮歯を装着できる点、さらに重度の骨吸収が見られる患者に対して有効であるといったメリットがあります。

ただし、上顎洞への接近・損傷による上顎洞炎などの合併症リスクがある点や頬に瘻孔ができるリスク、目の周囲の血管や神経に損傷を与えるリスクなども考えられる点に加え、通常のインプラントよりも費用が高額になる傾向がある点もデメリットとして挙げられます。さらに、高度な技術が求められる治療方法であることから、クリニック選びを慎重に行う必要があります。

オールオン4が適用できないほど、極端に顎の骨が痩せてしまっている場合、ザイゴマインプラントを選択することによってインプラント治療が可能になるケースもあります。ただし、メリットがある反面デメリットもある点はあらかじめしっかりと認識しておくことが大切です。また、高度な技術が求められる治療であるため、クリニック選びをしっかりと行っていくことも必要であるといえます。