インプラント治療で医療費控除の適用を受けるには

インプラント治療は高額な治療費が必要となるケースも多い治療です。そこで、治療を受ける場合に知っておきた医療費控除についてまとめていますので、治療費について気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

医療費控除とは

インプラント治療が医療費控除の対象となる条件

医療費控除とは、納税者自身または生計をともにする家族が、1月1日から同年の12月31日までに支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を行うことによって所得控除を受けられる制度です。この制度の利用によって、所得税や住民税の負担を軽減させられるといったメリットがあります。

インプラント治療が医療費控除となる条件は、下記の通りとなっています。

• 申請者または生計をともにする家族が支払った医療費であること
• 年間（1月1日から同年の12月31日まで）に自己負担にて支払った医療費の合計が10万円またはその年の総所得金額の5％を超える場合

また、治療のための通院でかかった公共交通機関の交通費も控除の対象となります。また、医療費控除は治療を目的とした医療行為にかかった費用が対象となりますので、噛む機能の回復などを目的としている場合には控除の対象になります。もし美容・審美目的のみのインプラント治療の場合は対象外となる可能性があります。

ちなみに、「インプラント治療は高額療養費制度の対象になるのか？」という疑問を持つ人もいるかもしれません。インプラントは原則として自由診療となることから、保険が適用される治療を対象としている高額療養費制度は対象外となります。

医療費控除の申請手続き

必要書類の準備と確定申告書への記入ポイント

医療費控除を申請するには、必要書類の準備と確定申告書への記入が必要です。必要な書類は下記の通りです。

• 医療費控除の明細書（国税庁のホームページにてフォーマットのダウンロードが可能）
• 医療費の領収書や医療費通知書（提出は不要だが5年間自宅保管）
• 通院時の公共交通機関の領収書（または明細メモ）
• マイナンバーカード（またはマイナンバーがわかる書類と身分確認書類の本人確認書類）
• 確定申告書（第1表・第2表）
• 源泉徴収票（給与所得者の場合）

確定申告書を作成する際には、まず医療費控除の明細書の作成が必要となります。その上で、確定申告書への記入が必要となりますが、この場合にはe-Taxを活用すると便利です。また、申告期間は翌年の2月26日から3月15日となっていますので、早めに準備をしておくことが大切です。

医療費控除を最大化するコツ

家族分の医療費合算と交通費の申請

医療費控除を最大化するには、まず生計を一にする家族分の医療費をまとめて申告するという点が挙げられます。また、通院にかかった交通費についても申請を忘れずに行う、という点もポイントです。ただし、電車やバスの代金が対象となり、ガソリン代やタクシー代などは対象外となる点には注意が必要です。

インプラント治療を行った際の医療費控除について解説してきました。医療費控除の適用を受けるには確定申告が必要となるため手間がかかると感じる方もいるかもしれません。しかし、しっかりと申告を行い適用を受けることによって税金の負担を軽減できますので、ポイントを押さえてしっかりと申請を行うようにすることが大切です。